夢さやか

燃ゆる炎の雨
大地焦がし 矢を降り注ぐ

細る月も紅蓮(あか)く
染めた覚悟 弓を引き絞る

閉じた目で見つめるあなたが
誠の風、興すためなら
たとえ空が割れようと 海が枯れようと
この身にかえて 無事を祈る

幾千もの 想いの露
あなたに溢れ流れゆく
あの日の背中 見送った涙
誇らしき道をただ讃え

夢はおぼろ 刻(とき)はかげろう
それでも尽きない願いよ
この空見上げ 結んだ心で
あなたが戻る日を待つ

背負うその痛みを
拭い去れぬ距離がはがゆく

明ける空、消え惑う
星のように 佇(たたず)み見守る

砕け散る水面に揺らめく
この世の業も愛ですくい
波枕よ まどろみであなたを包んで
涙もいとおしさへ還る

幾千もの鼓動の数
生まれる誓い ただひとつ
永久(とわ)より永(なが)い孤独を抱いても
あなただけ 照らし続けたい

風さやかに 夢ひとえに
逢えないほどそばに触れる
あなたの記憶 そのひとかけらが
生きてく私のすべて

命注ぐ雫たち
尖(とが)る岩さえも削り取っていつか
愛の器、添いながら
この腕へと流れ着いて

幾千もの 想いの河
あなたを包む海になれ
道は遠くとも ここへ繋がって
魂は千里も越えてく

夢は命 愛は鏡
逢えないほどそばに触れる
あなたの記憶 そのひとかけらが
いつでも 私のすべて
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