仮面ライター

古びた町角の小さな今にも
壊れそうな骨董品屋で
丈夫そうだが気味の悪い
笑い顔の仮面を買いました

心の中まで覆い隠せると店主の老人は
言葉をはずませる
自分の胸の内を晒すのが恐いから
誤魔化せそうなその仮面を買いました

もう大丈夫 何も心配ない
これでもう明日から 安心して
生きてゆける…

安心して生きてけるはずだったのに
心の中に出来た空しさが
日々の生活の中でポッカリと
大きな穴を作っていった

うんざりして仮面を 取ろうとしたけれど
しっかりと食い込んで
離しはしない…

お願い僕の仮面を剥ぎ取って
お願い僕の仮面を引きちぎって

町中の人々が様々な事をしてみたが
誰一人剥す事は出来なかった
あれからどれくらいたったのだろう
姿形は大人になったけれど

本当の顔がどんなだったか忘れてしまった
いったい僕は誰なんだろう?
君は誰?

お願い僕の仮面を剥ぎ取って
お願い僕の仮面を引きちぎって
お願い僕の仮面を剥ぎ取って
お願い僕の仮面を引きちぎって

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