辺戸岬

辺戸の岬に ひとりたたずめば
愛しいあなたの背中が見えて 切なくなる

けなげに海超える *綾蝶のように
飛んで行きたい あなたの元へ いまだ叶わぬ夢

北緯27度線で 引き裂かれた二人の想い
夜の海に船を走らせ あなたに逢いに行きたい

「いつの日にか一緒になる」と言ってくれたから
『ずっとここで待っています。』 辺戸岬で

なぜにあなたの親方様は
二人の恋を許さないのか わからないけれど

それでもあなたは人目を忍んで
夜の海に船を出して逢いに来てくれた

北緯27度線で あなたがうたってくれたうた
私の心に明かり灯した 夜のかがり火のように

燃やし続けて 二人の想い 消えないように
かがり火 焚いて 私もうたう 夜が明けるまで

鳥も魚も想いもうたも 黒潮を行き来するのに
心の線を引いているのは いつも人の世だから

いつの日にか 一緒になって 抱き合えたなら
かがり火 焚いて うたいましょう あの日のうたを

いつまでも 消せない炎 時代の風が吹いても
ずっと ここで 燃え続けています 辺戸岬で

辺戸岬で
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