恋うさぎ

掛けたまんまの あなたのシャツに
袖を通して うずくまる
西日の差しこむ 六畳二間
しあわせ集めて 暮らしてたのに
こんなに広い 囲いの中で
待つしかできない 恋うさぎ

薄いあかりの 蛍光灯が
シンと冷たい 台所
料理はお前の 取り得だなんて
私に女の 自信をくれた
あなたの言葉 並べて泣いて
ひとり赤目の 恋うさぎ

淋しがらせる あなたが悪い
責めたあの日を 消せたなら
手帳の日付に 大きく「×(ばつ)」を
お酒にすがって 何度も書いた
夜空の向こう チラリと見える
月にも帰れぬ 恋うさぎ
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