こぼれ月

紅を拭きとる グラスの淵に
写る寂しい こぼれ月
冬の恋でも いいのです
一夜だけでも 生きられますと
花は深山の 寒椿
明日のことなど 言わないで 言わないで

女以上ね 男の人は
こころ遣いも 優しさも
抱いてください 思いきり
女ごころを 花くれないに
りんと咲かせて 下さいね
せめてひととき その胸で その胸で

灯り落とせば そこから先は
吐息隠れの 雪見月
どんな運命に 置かれても
肌のぬくもり 手枕さえも
生きる確かな 力です
あなた思いは どこまでも どこまでも
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