海と塵

冷たい海が
僕らの頭上で波を立てていた

真珠はほころび
粉雪は内気な心に積もるから
僕はあなたに笑いかけた

ノックは静かで
誰も起こさずに
そっと消えたヒントを黙って探した

真珠はほころび
粉雪は内気な心に積もるから
僕はあなたに話しかけた
いびきの彼方に陽が昇った
波の鱗に色が爆ぜた
僕らの中で映しあった
身じろぎもせずに
僕は見てた
全ての熱も移しあった
僕はあなたに飲み込まれた

戻ろうか
陽が暮れちゃう前に
つないでもつないでも1mm足りないし
止まる気配のないこの渦に逆らうけど
洗い流されたってもう失われはしない

真珠はほころび
粉雪は内気な心に積もるから
僕はあなたに語りかけた

遠くの街が空襲で焼け落ちるように
僕の中の何かも死んでいくようで怖いから
たわいもないものも全て
あなたごと
連れ去って満ちていこう
バイバイ…

僕を見つけて
12時間以内に
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