花ぼうろ~霧氷の宿~

深山(みやま)の霧の 冬化粧
誰が名付けた 花ぼうろ
あなたを愛した 歳月(としつき)を
涙と一緒に 氷らせて
明日は別れる 霧氷の宿よ

さいごの旅に しましょうと
決めているから なおつらい
女のよろこび 悲しみを
あなたは教えて くれました
誓う忘却 霧氷の宿よ

眠れぬままに 刻(とき)がすぎ
白い吐息の 朝まだき
あなたを忘れる ことなんて
やっぱりむりです わたしには
うしろ髪ひく 霧氷の宿よ
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