海峡氷雨

明日の船でも いいはずなのに
なんでこの手を 振りほどく
涙を見るのが 嫌なのならば
笑顔つくって 送るから
…あなた最後の わがまま聞いて
後を追う背に 海峡氷雨

二人暮らしに 見付けた部屋は
一人住むには 広すぎる
あなたが残した 小さな合鍵が
やせた女の 掌に重い
…見たくなかった まぼろしなんて
夢を濡らして 海峡氷雨

春は遅れる 北国だけど
もっと今年は 遅くなる
幸せ載せてく 連絡船に
すがる未練の 浮標あかり
…あなたどうして 生きればいいの
こころ凍える 海峡氷雨
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