海峡平野

逢えば抱かれて つらくなるから
ひとり身を引いた 私でした
あなたあなたは 浜千鳥(はまちどり)
いくら呼んでも あの空 飛ぶのですか
今は別れを 悔やんでいます
髪をみだして 岬見あげれば
海峡平野は もう夏の海

侭にならない この世でしたと
小雪ちらついた 駅で泣きました
あなた あなたは雪蛍(ゆきぼたる)
星のあかりに 踊って舞うのですか
今はあの日に 戻りたいのです
指かしばれて 泪凍りつく
海峡平野は もう冬の海

人眼のがれて 月日数えて
耐えて待っていた 私でしたのに
あなた あなたは雪割草
春が呼ぶのに 隠れているのですか
今はあなたに すがりたいのです
花をみつめて 夢を探したら
海峡平野は もう春の海
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