海峡の春

酒は熱(あつ)かん 佐田岬
肴(さかな)はきんめの 一夜干し
あとは何にも 何にも 要(い)らんぞな
三崎港に 春風吹けば
しみじみ思う 漁師に生まれて よかったね

鯖(さば)の一本づり 朝まじめ
さわらの一本づり 夕まじめ
まじめ一本 一本 生きたけに
恋の一本づりゃ 苦手だけれど
あの娘もホの字 漁師の娘で よかったね

今日の漁場も 三崎灘
行き交(か)うフェリーに あおられて
舟は横ゆれ 横ゆれ 波しぶき
花に見立てて つり糸たれりゃ
しみじみ思う 漁師に生まれて よかったね
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