雪港

なぐる風 ゆする風
怒涛さかまく 日本海
雪のつぶてが 頬を打つ
海の男よ 無口なひとよ
好きというなら 荒波越えて
熱い女を 抱きに来い

海猫(ごめ)がなく 海がなく
板戸たたいて 潮風(かぜ)がなく
軒の氷柱(つらら)が すすりなく
海の男よ やさしいひとよ
夢で今夜も あんたを抱いて
わたしゃ夜通し 添い寝する

吹雪く空 荒れる海
凍りつくような 波飛沫(しぶき)
あんた早よ来て 会いに来て
海の男よ 恋しいひとよ
春が来る日を 指折りかぞえ
わたしゃ涙で 沖を見る
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