ゆっくりおいで

天使に手を引かれて 独りで旅に出たから
さよならの一言が お別れが言えなかった

この町からは電話も 手紙も出せないけれど
君の笑顔も その瞳も すべてぼくには見える

ゆっくりでいい ゆっくりおいで
遠回りして 道草をして
もう君を独りにはさせない
ピアノの前で待っているよ

定刻より少し早く 船出の時が来たから
ありがとうと言えないまま 君の名を呼べないまま

新しい家を建てて ふたつの椅子を並べて
ピアノを弾けば 雲の上で 天使が歌い始める

のんびりでいい のんびりおいで
人を愛して 人に愛され
もう二度と手を離しはしない
永遠の愛を奏でよう

いつもそばにいるよ 白鍵のとなりには 黒鍵があるように
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