淡路の女よ

風の便りに 背中を押され
越えて来たのさ 明石(あかし)の橋を
揺れる楠(くすのき) 五色(ごしき)の浜に
心がうずく 音がする
馬鹿な男と 微笑(わら)っておくれ
淡路(あわじ)の女(ひと)よ

夢に見るのさ あの日の続き
傘に身を寄せ 生きてく姿
夫婦(めおと)茶碗(ぢゃわん)に 揃(そろ)いの箸(はし)が
朝日の影に 消えてゆく
瞼(まぶた)閉じれば あふれる笑顔
淡路の女よ

潮が絡んで さびつく未練
どこにいるのさ 愛(いと)しいひとよ
長い黒髪 あの泣きぼくろ
も一度君に 逢(あ)えたなら
波の向こうに 浮かんで消える
淡路の女よ
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