吉野に風が

他愛ない 諍いの 煩わしさを
逃げて 訪ねた 山の上
桜 桜の まぶしさが
すべての憂さを 吹き飛ばす
お前を 連れて 来ればよかった
吉野に 風が なよ風が舞う

人の世の かりそめの 出会いとは言え
心 重ねて 夢の中
桜 桜の 見事さに
負けない絵巻 描いたね
お前の 笑みを 花に浮かべて
吉野に 風が そよ風が立つ

明るさと 気高さと 有り難さとが
匂い 踊って 山の上
桜 桜が 競い合い
些細な惑い 攻め飛ばす
お前の元へ 心 いざなう
吉野に 風が 涼風が吹く

お前を 連れて 来ればよかった
吉野に 風が なよ風が舞う
×