見かえり峠

森の日暮れに ひぐらし鳴いて
あの娘をしきりに 恋しがる
ひとりが切ない 祭りの季節
笛や太鼓は はしゃいでも
あれも夢 これも夢
遠い別れの 見かえり峠

栗がはじける 裏山ずたい
肩よせ歩いた 帰り道
夕げのけむりが たなびく向こう
空はきれいな あかね色
あれも夢 これも夢
過ぎた十年 見かえり峠

風の便りも 途絶えたままの
あの娘はいくつに なったかと
おやじの茶わんに 酒つぎながら
ゆうべおふくろ ひとり言
あれも夢 これも夢
すすきゆれてる 見かえり峠
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