花火

夏の昼下がり
裏庭でもいだ
桃を手みやげに

今夜、花火を見にいこうと
きみを誘いに行ったら

家の縁側て涼む
眠り姫 見つけた

きみは どんな夢見てるの?
そこに 僕は登場する?
伸ばしかけた手を制して
そっと 立ち去った

“わたし 寝てたでしょ?
ごめんね”と頬を
ほんのり染めながら

紺の浴衣に着替えて
あらわれた きみを前にして

胸の鼓動
祭ばやしに
かき消してもらおう

きみと 同じ夢見てるよ
空に 光る花が咲くよ
伸ばしかけた控えめな手
そっと つかまえた

こんな夜にちょうどいいね
流れ星に願いを込め
ずっと そばにいられるように
夢を託したよ

きみと 同じ夢見てるよ
空に 光る花が咲くよ
伸ばしかけた控えめな手
そっと つないだよ
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