昭和最後の秋のこと

貧しさも つらくない
四畳半にも 夢がある
嘘をつかない 約束で
肌を寄せあう 二人なら
死にましょうか 生きましょうか
生きましょう 生きましょう
たがいに めぐり逢えただけ
この世の神に 感謝して

昭和最後の秋のこと
雨にうたれる彼岸花
ふるえる愛が ふるえる愛がまだあった

飢えた日を 忘れない
痩せて目だけを 光らせた
そんな時代の 子であれば
心だけでも 満たしたい
死にましょうか 生きましょうか
生きましょう 生きましょう
笑えることが ある限り
値打があると 信じつつ

昭和最後の秋のこと
時に晴れ間が ひろがって
まぶしい恋が まぶしい恋がまだあった

昭和最後の秋のこと
山の紅葉に 照り映えて
色づく夢が 色づく夢がまだあった
ふるえる愛が ふるえる愛がまだあった
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