新宿を語る 冬

西口バスターミナル 乾いた空に冬が舞う
ホテルの電光クリスマスツリー 雪の休暇を唄ってる
北風に負けた レインコート
それでも 骨まで凍る程でもない
“全部洗いおとせる雨でも降らないか”って
君が言った

ジングルベルのアーケード ラッシュの人波で暖をとる
地下鉄のメロディにさえ市民権
そんなはずじゃないだろうビートルズ
家路辿り疲れた古い皮靴
それでも 履き捨てる程にはボロでもない
“半端な白夜を突き破る炎の柱立てばいい”って
君が言った

ネオンの花園デコレーション ヤクザの裏道にもR&R
コーヒーの香りにつられても 閑古鳥とばしたコルトレーン
誘惑の華なら よりどりみどり
それでも 真っ赤に染まる程でもない
“敷きつめられた路上の石畳飛びかえばいい”って
君が言った

戦い済んで陽が暮れて ビルの谷間にも除夜の鐘
テロルの季節の足音が 夜明けの舗道に蹲<うずくま>る
素顔を忘れたこの街
それでも 愛しい寝顔さらしてる
“眠れる夜を覚えたら その日この街の灯が消える”って
誰か言った..........

西口バスターミナル 乾いた空に冬が舞う
小田急ハルクの電光クリスマスツリー 雪の休暇をはしゃいでる
×