うたとお別れを

愛が欲しいと叫んだ声なら
今もどこかでただただ響くよ
歌になれない詞が嘆く
揺らぎなく流れていたあの頃を
愛おしむように消えていく。

手も繋げない闇の中で寄り添いながら歌う
この灰色に煙る小さな世界の端っこで
私たちはすべてが終わるのを待つの。

愛が欲しいと叫んだ声から
掠れた音がただただ響くの
歌になれない詞が憂う
揺らぎなく流れていたあの頃を
懐かしむように消えていく。

手も届かない街の中で見失いそうになって
この冷たい手を伸ばした世界は変わらないまま
私たちのすべてが終わるのを待った。

愛が欲しいと願った声には
振り向く者も静かに消えたわ
見せ合う傷なんて無いの
戯言なんて落としていかないで
そんなものは必要ないの。

誰ががくれた微笑みは忘れてしまった。

愛が足りなくなる少し前に
ほんの少しの希望を抱いて
見たことのないものにさえ
愛を与えて笑っていられたの。

愛が欲しいと願った声にも
ほんの少しの希望を抱いて
手を繋ぎながらそれでも
誰かに愛を注いでほしかった
この声も、愛しているのよ。
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