刺繍を胸に

西日が差し込む この部屋は
歴史や記憶が 歩きまわる
体を流れる 風が歌う
若さとは なんだったんだろう

ほどけない糸や すり切れない
刺繍のようなものかしら

胸の裏側に 張り付いて
朝日が 夜を 砕く時に
ほつれだす
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