女の始発駅

凍りつきそな 指さきに
かける涙の 白い息
みおくる人も いないのに
ふり向きながら 汽車にのる
あなたを忘れる 女の始発駅

雪の灯りの 角館(かくのだて)
いつか歩いた 武家屋敷
夫婦茶わんを かいこんで
使えるその日 まっていた
一ツが終わった 女の始発駅

今度どこかで 逢う時は
かわい女で 逢いたいの
荷物をはこぶ おばあちゃんが
ほほえむ北の ローカル線
今日から出直す 女の始発駅
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