幻想蝶

知らないままでいられたなら それはそれで幸せだった
知らないうちに誰もかれも飛び立っていた
果てしない幻想へ

教えこまれたキレイ事を なぞるだけの習性を持つ
成長してるみてくれに 届いたようさ街の合図

雑踏は思い描いた対等な群れではなくて
「真っ当」もあてにならない

煌いた世界へ誘って 仮初めの羽二つくださいな
私の中で悶えています ふしだらな夜を飛びたい

なりません

きつく縛り上げる 何重も掟にくるまれては
サナギの中で悶えています 羽化しない幻想蝶

知らないままではいられない それはそれで本能でしょう
描き続けた純粋さも 今では余白にしか見えない

雑踏は振り返らない 対等を問う暇はない
「真っ当」は色とりどり

煌いた世界へ誘って 私にも甘い蜜くださいな
戯れるように騙し騙され 哀れながらも泣き笑い

なりません

後ろ髪引かれる 何重も掟にくるまれてんだ

その入り口は出口としよう さあ 飛びなさい 今

煌いた世界へ誘って 私にもその色をくださいな
飾りの中でまだ欲しがってる 剥ぎ取れば同じはずでしょう

虫かごで目覚めたその日から 素晴らしい標本になりなさいと
それを目指して羽広げても 生け贄さ 現代の
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