瀬戸内みれん

しだれ柳を 映した川に
雨が小さな 輪を描(えが)く
「あなた…あなたこれきり お別れですか…」
ひとり旅する 倉敷の町
頬になみだの 瀬戸内みれん

港 尾道 浮き棧橋に
立てばやさしい 面影が
「あなた…あなたわたしの 我がままですね…」
恋のつらさに こんなに痩(や)せた
二度と逢えない 瀬戸内みれん

霧にかすんだ 関門(かんもん)橋(きょう)に
ぽつり灯(ひ)がつく 夕まぐれ
「あなた…あなた今日まで 倖せでした…」
噂とどかぬ 故郷の町で
生きてゆきます 瀬戸内みれん
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