Tempest

海を眺める少女がいた
消えそうな灯にしたたるしずく
空へ還そうと
小さな手 差し出す

何をこころに決めたのか
誰よりも私が知っている
泣いてもひとりなら
強くなろうと

時は巡り
再来の風に吹かれて
その願いは遠く
誰かの明日を照らすだろう
そんなに傷ついて
上手には笑えなくて
今は少しだけ
目を閉じて
嵐が過ぎるまで

抱えてしまった空洞を
埋めようと選んだ言葉は
虚しく響き
過去へと 流れ着く

耳をふさぎ生きているなら
それは色のない
世界と同じだから
私はあなたを許したい

時は巡り
再来の風に吹かれて
その思いは遠く
誰かの涙 ぬぐうだろう
いのちの恵みが
広漠な大地にあふれ
絶え間ない悲しみなど
どこにも
ありはしない

雷雨に舞う花びら
居場所を探して
さけんでいるんだ
声がかれるほどに
ぬかるみに足をとられ
最後のひとりになったとしても
でもどうして
信じてしまう

時は巡り
再来の風に吹かれて
その願いは遠く
誰かの明日を照らすだろう
泣いていた
笑っていた
すべてを慈しんで
降りそそぐ光の中
この道を歩いていこう

嵐が
去っていく
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