名画座の恋

名画座で出会うオードリーに恋をしてたあの日
学校へも行かずあてもない夢に逃げ込んでいた
不安を数えれば未来
未来は憧れと怖れ
誰かの庭に咲く白丁花
六月に降る雪
仕送りが遅れると詫びる故郷の母の手紙
負けるなとは書いてないけれど
負けなくないと思った

夕暮れ迫る路地裏に遊ぶ少女独り
フランス座の踊り子の娘 誰かにそう聞いた
次には北の町へ行く
終わりのない旅人
生きることはそういうこと
明日はいつか来る
名画座の恋が終わる頃 僕は大人になる
もうすぐ梅雨前線が この街に掛かる
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