枕詞がたり

草枕 何を求めて行く旅か
心に何か 澱(よど)んだか
ざわざわと 駅毎に
昇り降りする 人のむれ
何かが恋しい その恋しさに
ただ胸のみが ふるえてる

ひさかたの 空に流れてゆく雲に
憧れたのは いつの日か
生きてゆく それだけが
なんでこんなに 難しい
何かに逢いたい その逢いたさに
宛(あて)ない旅を 行くこの身

うつせみの 命なりゃこそ夢もまた
持たずになんで 生きられよう
はじめての 駅の名を
聞けば旅愁は なおつのる
何かが恋しい その恋しさを
ただ抱きしめる ひとり旅
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