波止場通りなみだ町

女は頬杖ついていた
窓に港の霧が降る 霧の彼方を船が出る
あゝ またしあわせが逃げちゃった
波止場通りはなみだ町
涙ひとすじ糸をひく

女は演歌を口ずさむ
夕べ男が唄ってた 歌と気がつき爪をかむ
あゝ またしあわせが逃げちゃった
波止場通りはおんな町
未練ごころの弾き語り

女は煙草に火をつける
マッチ一本燃え尽きる 燃えてはかない運命でも
あゝ またしあわせが逃げちゃった
波止場通りは別れ町
生きてりゃいいことあるでしょう
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