雨の港町

濡れた髪の雫が頬をつたい
薄い化粧 色を落としてゆく
北の町の雨には恋を失くした
私に似合いの寒さがある
たった一言さよならと
告げて別れた悲しみを包むように
降る降る降る降る 雨の港町

雪に変わりそうだとみぞれまじりの
空を見上げ人は急ぐばかり
誰れも辛さ悲しさ慣れているように
背中で語って行き過ぎて行く
あなた愛して夢をみて
胸にポッカリ空いた傷洗うように
降る降る降る降る 雨の港町

過ぎた日々は映画のコマのように
白い雨の街に浮かんで消える
遠くひびく夜汽車は今日も誰かの
哀しみ運んで来るのでしょうか
今夜限りで忘れます
頬に伝わる涙さえ流すように
降る降る降る降る 雨の港町
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