鶏頭のブルース

余程の悪事をはたらいたのでしょう
罪の色をした冠をかぶって
鶏頭の花が咲いている

昨日の熱帯夜を吸いとったのでしょう
ふてぶてしいほどしなやかな素振りで
鶏頭の花が咲いている

もう早朝がゆるい坂道を転がり落ちてくる
いっそこのまま誰かに咎められたいような秘密

時間が経つのを忘れた悪い子は
人目につかぬようにお家に帰りなさい
交差点でブルースが立っている

もう夕べまで一人じゃ何もできなかったくせに
いっそ正体を見破られてしまいたいような秘密

主を待ってた私の寝室で
ほら振り返った鏡の向こうには
鶏頭の花が咲いている
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