風待ち湊

今朝はお立ちか 風待ち湊
碇を上げて 船がでる
来いというとて 行かりょうか
わたし飼われた 籠の鳥
ついて行きたい ついて行けない
海のかもめの えーにくらしさ

きっと来てよと 背伸びをすれば
音戸(おんど)の瀬戸に 朝日(ひ)が昇る
両親(おや)の顔さえ しらないで
夜に育った 身がつらい
ついて行きたい ついて行けない
しぼる涙の えー船の人

たった一夜の 添い寝が仇に
想いを切れぬ わかれ波
こんど逢えるは いつの日か
問えば千鳥が 鳴くばかり
ついて行きたい ついて行けない
ここは湊の えーうかれ町
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