越前詩情

風そよぐ 昼下がり
わたしはときめく 旅の中
季節にこころを 遊ばせて
あの夏は 戻らない
線路の熱さと 白い雲
子供のわたしが そこにいる
追憶たどれば 生きとし生けるもの
すべて美しく変える
彩りの越前に あゝ魅せられて

山の端(は)を 海の面(も)を
夕映えあかねに 染め抜けば
なにゆえ涙が 誘われる
人はみな 家路へと
たどればほのかな 灯をともす
そこにはわたしの 場所はない
時間のながれに 生きてくあり方も
人はそれぞれに変わる
ふるさとの越前に あゝやすらいで

追憶たどれば 生きとし生けるもの
すべて美しく変える
彩りの越前に あゝ魅せられて
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