螢火

季節はずれの螢火を 宿した女の悲しみは
行きずり故に 懐しく 短い旅の終り街
ここで ここで 右左
ここで ここで 西東
チロチロ燃える ユラユラ揺れる
尽し足りない 未練の灯(ひ)
ここで ここで 右左
ここで ここで 西東
ここで ここで 右左
ここで ここで 西東

時計はずして放り込む 一度は死のうとした川が
病葉(わくらば)浮かべ 流れてく はかない旅の別れ街
そこで そこで 振り向かず
そこで そこで 今日(きょう)・明日(あした)
チカチカ点(とも)る ポツポツ消える
愛し足りない 心の灯(ひ)
そこで そこで 振り向かず
そこで そこで 今日(きょう)・明日(あした)
そこで そこで 振り向かず
そこで そこで 今日(きょう)・明日(あした)

三日あなたと過した 想い出があれば
私はひとりで 生きてゆける
三ツあなたと一緒の 想い出があれば
私はこれから 生きてゆける
三日あなたと過した 想い出があれば
私は一生 生きてゆける
×