東京とまり木

軽口たたいて 笑って泣いて
グラス揺らせば 鳴る氷
ドアが開くたび はじけるように
泳ぐ視線も 切ないネ

ねえチーフ わたし待ってる訳ではないわ
卒業したのよ あの恋は
なみだ美人と うぬ惚れながら
この指とまれ 赤い鳥
東京とまり木

かならず明日は まっすぐ帰る
言った気もする ほろ酔いで
坐りこごちも にじみの椅子で
三日三晩は 切ないネ

ねえチーフ 夜も更けたし 閉店ですか
しみじみ雨降る こんな夜は
こころびしょ濡れ 誘われたがる
この指とまれ 青い鳥
東京とまり木

ねえチーフ これで最後の お酒にするわ
気分は沖ゆく 砂の舟
たかが恋だと 呟きながら
この指とまれ 迷い鳥
東京とまり木
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