麗人草の歌

愛の涙に やさしく濡れて
咲くが女の 命なら
なぜに散らした あの夜の風よ
いまはかえらぬ 夢哀(かな)し

月のテラスで やさしく肩を
抱いたあの夜の あの人が
今日も呼ぶ呼ぶ 嘆きの窓に
強く生きよと 夢に呼ぶ

涙々の いくとせ越えて
かえるこの春 花の春
咲いて香(かお)れよ 麗人草の
花は紅(くれない) あの丘に
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