苦手なんだよ

お客さんに せがまれて 唄ったよ
生まれ故郷のあの唄(うた)を
唄っているうち 恋しくなって
じんとじんと じんと
じんと瞼が熱くなり
思わず泣けて しまったさ

縄(なわ)のれんが 揺れるのも 侘(わび)しいね
暗い小路(こうじ)の安酒場
しがない流しの この俺だって
こいつァこいつァ こいつァ
こいつァ苦手(にがて)な唄(うた)なんだ
返らぬ愚痴が 出るからさ

お客さんも 泣きながら 唄ったよ
遠い故郷の国なまり
同じ悩みを 抱いてる人か
いいよいいよ いいよ
いいよ何にも言わないで
商売ぬきで 唄おうよ
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