大阪の灯

そぞろ歩きの 心斎端(しんさいばし)で
いとしき君の 面影(かげ)慕う
男心に しみついた
たった一度の 思い出を
秘めて大阪 灯(ひ)がともる

好きというのも もどかしかった
千日前(せんにちまえ)の 喫茶店
あの日ソファーに 身を寄せて
そっと両手を 添えたとき
君の瞳(ひとみ)も 濡(ぬ)れていた

消えてまたつく ネオンの花が
行きかう人の 肩に散る
きっと逢えると 見上げれば
澄んだか細い 淀の月
夜の大阪 灯がともる
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