父さんへ

木枯しが ヒュルヒュル泣く夜は
父さんの帰りを 寂しく待ちわびた
大きな胸にとびこんで
ゆりかごみたいに 包まれた
ああ 都会に北風吹く夜は
あなたのぬくもり 思い出す

お湯わりを ゴクリと一杯のみほせば
無口な父さん 上機嫌
義経 弁慶物語り
観て来たように しゃべり出す
ああ 私が男に生まれたら
あなたの夢を生きるのに

時々は 父さん叱ってくださいね
何年たっても子供です
あなたの背中にしっかりと
刻み込まれた人生を
ああ 私も見つめて歩いてく
愛する人といつの日か
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