大和路(やまとじ)

遠い別れの さびしさに
今日も重ねる 草まくら
そぞろ歩けば 大和路の
野辺(のべ)に傾く 路しるべ
――この世の愛の はかなくて

つらいばかりの 想い出は
どこに埋めたら いいのやら
ひとり尋ねる 野仏(のぼとけ)に
誰があげたか 桃の花
――うす紅色(べにいろ)も 悲しくて

せめてどこまで 行ったなら
胸の愁いは 消えるのか
いつか日昏れる 大和路に
霞たなびく 畝傍(うねび)山
――この世の旅の はてなくて
×