霧笛の波止場

船が航(で)るたび 女が泣いた
港は涙の 溜り水
海の男は 薄なさけ
帰っちゃこないと 霧が降る
それでも私 待ちますあなた
悲しみ波立つ 霧笛の波止場

潮の匂いを 残して消えた
つれない背中が 目に浮かぶ
肌の温(ぬく)みで 燗(かん)をした
お酒でもいちど 酔わせたい
死ぬまで私 待ちますあなた
未練が流れる 霧笛の波止場

愛の灯台 面影照らす
幸せ捜して 灯(ひ)を点(とも)す
指の先まで 恋い焦がれ
夜毎に夢見る めぐり逢い
信じて私 待ちますあなた
心も震える 霧笛の波止場
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