沫嘘

すぐ逢えるからって君の言葉は
私に吐く初めての嘘ね。
切れてしまいそうな小指の糸辿って
君のいるその場所に、いけるなら。

人の波の中に私だけが置き去り
迫りくる夕闇、独り心細くて
君のくれた香りを身に着けて歩いた。
そうしたら君が気づいてくれるって、そんな気がして。

すぐ逢えるからって君の言葉は
私の為だけに吐く嘘ね。
溶けてしまいそうな小指の糸辿って
君のいるその場所に、いきたいよ。

涙のような雨、私だけに沁みてる
君のくれた指輪を身に飾って歩いた。
そうしたら君が駆けてきてくれるって、そんな気がして。

すぐ逢えるからって君の言葉は
私だけに吐く優しい嘘ね。
どこまでも淡い小指の糸辿って
君のいるその場所に、いけるなら
いきたいよ。

ほろり落とした涙粒は心を濡らして
水溜りのような想いを流していく。

君のくれた言葉を身に纏って歩いた。
そうしたら君の傍に居られるって、そんな気がして。

すぐ逢えるからって君の言葉は
私を支える優しい嘘ね。
誰にも見えない小指の糸辿って
君のいるその場所へ

待っているからって私の笑顔
君に吐いた最初の嘘よ。
二人を繋げる赤い糸を辿って
君のいるその場所に、いきたいよ。
あいたいよ。
×