Memoria

朝も夜もその間も、変わらずに待ってた。
想いの残滓を遠くに落とすようなメモリア

手を重ねて眠ったあの日を思い出す
優しさに震えた、初めての時。
睫を揺らした寝息に少し笑って
君の胸の音を聴きながら瞑るの。

今はまだ金糸雀の色をした
記憶の宇宙に浮かぶ、おもいでを

朝も夜もその間も、変わらずに待ってた。
空いたままの掌には、抜け落ちた温度を
探すように彷徨う仕草だけが残って
私の喉元を、深く軋ませ続けるの。

手をそっと解いたあの日を思い出して
虚しさに震える、このひと時は
柔い夢の跡をなぞるようにして
少しずつ越えていくしかないのかしら。

今もまだ褪せることを知らない
記憶の宇宙に浮かぶ、おもいでを

朝も夜もその間も、変わらずに持ってた。
空いたままの掌には、すり抜けた温度を
探して彷徨う私の弱さがみえてる。
君とのおもいでが、強く私を締めつけた。

全てがメモリアへと変わるのはいつになるの。
宇宙から落ちて記憶の海に沈みゆくのはもっと先なの?
「私の心を埋め尽くさないで」なんて
身勝手な言葉が、浮いては消えるわ。

今もまだ私を支配している
記憶の宇宙に浮かぶ、おもいでは

朝も夜もその間も、変わらずに待ってた。
空いたままの掌から、すり抜けていくことを。
彷徨う手も何もかもをメモリアに変えて
君を越えるほんの僅かな強さが欲しいよ。

いつかまた振りかえることがあるのならば
空いたままの掌で掬い上げるから
だから、どうかその時まで優しく沈んで
二人の残滓を淡く包むようなメモリア
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