長崎の雨

狭霧にかすんだ 外国船の
汽笛が出島の 空に鳴る
坂の長崎 石だたみ
あなたを偲び オランダ坂を
そぞろ歩けば 肩先に
ポツリポツリと 俄か雨がふる

一年一度の 「くんち」の逢瀬
後へはもどれぬ 恋でした
秋の長崎 蛍茶屋
南京花火 はじけるように
三日三晩の 熱をもち
燃えてあなたの 強い腕の中

ふたたび逢えない 悲しみ抱いて
唐人屋敷の 路地を行く
雨の長崎 思案橋
中島川に 面影ゆれて
あなた恋しと 泣く胸に
遠くマリアの 鐘が鳴り響く
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