おまえさん

紺の暖簾に 染めぬいた
“夫婦”二文字が 目に沁みる
やっとだせたね ふたりのお店
好きなお酒も 好きなお酒も 我慢した
甲斐があったね おまえさん
ネエ おまえさん

両親の許しも ないままに
乗った夜汽車が 振り出しで
貧乏 貧乏の 駆落ち生活
それもいまでは それもいまでは なつかしい
夢のようだね おまえさん
ネエ おまえさん

派手な花輪は ないけれど
むかし仲間の 顔と顔
今日の開店を 飾ってくれる
唄もうれしい 唄もうれしい 祝い節
泣けてきちゃった おまえさん
ネエ おまえさん
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