夏の夜の11時

恋人たちが河のほとりを
幸せそうに肩をくみながら歩いている
ホテルの窓に灯りを消して
私は一人孤独な旅に涙をながす
私にも自由な恋の想い出が
青い空に鳩が飛んでいたわ
無邪気な心で愛を信じてた
愛してくれた男の姿が
風のようなひとみの中を通り過ぎてゆく

鏡の中につかれた顔が
他人のようにおびえた目で私を見ている
いたずらに過した愛の季節が
夢のように浮かび消えてゆく
昔の私にもどれはしないわ
ホテルの窓に灯りを消して
私は一人 孤独な旅に眠れない夜
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