運勢は少しぐらい悪い方がいい

黄昏にそまる 川沿い 何もない駅
急行にぬかれ 私だけが残る

忘れられない あの人を
交差点の向こう
不意に見つけてしまった その横顔を
あなた 気づかなかったでしょう

二度と逢えない だから
永遠の恋人だと ドラマみたいに
もっと ときめくはずなのに
「安いサンダル はいてた」
あの歌を私 思い出していたわ

何もない駅は 枯れ葉を撒いたみたいに
カサカサと胸に 余韻だけが残る

だからね いつも運勢は
少しぐらい 悪い方がいいのよ
かなわない夢のようにね
月がビルの影から見えた

昔憧れていた スターたちより
長生きしてしまったことが
切なくなるの こんな時
ため息ひとつ 落として
しあわせを探す それが 私らしい
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