菜々

明けて行く空 瞳を閉じれば
悲しくて 君が見える
長い前髪を ほら 悪戯に揺らしているんだろ
その歩幅で 僕の中へ

回り出した脳内 酔った記憶
喉の奥が切れたみたいだ
地上五階 飛べない僕が嘆く
さよなら こんな夜だ 許してくれないか

甘い追求心が絡まって
ただ肺の奥まで吸い込んだ
痺れる舌が語る半透明の世界を
細静脈付近で追い越して
また肺の奥まで吸い込んだ
言われるまま 答えはいつだって
吐き出せば 正しい未来が待っているだろう
愛しくて 手を伸ばす 愛しくて

溢れ出した脳内 散った記憶
鼻が風に揺れたみたいだ
起床五回 浅い眠りに気付く
満ちては欠けた夜 焼けては繰り返す

長い指先で ほら 僕の身体に触れたいんだろ
その歩幅で 僕の中へ
×