天照

天照 世界が終わってしまう前に
嘘偽りない光を貸してくれないか
天照 「世界を救え」とは程遠く
ただ僕の背を押して欲しいだけだ

いつかは忘れてしまうと言うのか
遠くなれば 遠く また遠く

たかが一万回の口付けで 僕を語り継げるなら
赤い何かが垂れてしまうまで踊ろうが
知らぬ誰かの姓を騙り 四隅に貼り付けられようが
そこに痛みが伴えば 悲しくはないはずだ
余白だらけの歌に飛び込んで 溜息に抱かれた夜
通り過ぎる未来さえ追い越せば 月に手が届きそうだ
ただ汚れるだけ汚されてしまった この身体が気になるが

いつかは気付いて消えてしまうのか
遠くなれば 遠く まだ遠く

天照 世界が終わってしまう前に
気が触れる様な光を貸してくれないか
天照 惨めで滑稽な姿から
生まれてしまう言葉もあるはずだ
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