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五月雨

 
雨の季節になり 微熱を覚えるころ
並ぶ二つの影がふいに瞼に浮かぶ

流れる涙は儚い記憶の残滓
朧げなその感覚に身を委ねてしまいそう

愛した君の弱さを 愛した君の孤独を
ひと時の感情は今 五月雨のそれに似る

風の青い季節はもうすぐそこまできていて
はやる心とたゆたう心が色を混ぜる

穏やかな輪郭をなぞるように伝う雨垂れ
忘れてた 懐かしさに揺り起こされた寂しさ

重ねた唇の端 零れたすれ違う声
ざらつく唇はまだ 君の事を覚えていた

弱さを重ねて君に自分を映していた
そこから逃げ出したまま大切なものを捨てた

愛する喜びを知り 愛する辛さを知って
それでも孤独を恐れて 求めては 傷つける

愛した君の心に結んだ糸が解けて
輪郭を失くした影は雑踏に消えていく

愛した君の弱さを 愛した君の孤独を
ひと時の感情は今 五月雨のそれと知る