冬鴎

旅の寒さを 背中にしょって
船の時刻を 聞く女
潮風(かぜ)にさびれた 港の酒場
線路のむこうは 冬の海
想い出は 置いてゆけ
流れ着く この先に
旅を終らす 夢は無い

窓が白(しら)けて 波止場の路地に
雪がいつしか 降り積る
遠い汽笛に 振り向く女(ひと)よ
心の凍(しば)れは 解けたろか
旅びとの 淋しさが
ストーブに 燃えている
港 とまり木 仮の宿

辛かろう せつなかろ
北へ行く この俺も
おなじ船待つ 冬鴎

想い出は 置いてゆけ
流れ着く この先に
旅を終らす 夢は無い
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