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萌ゑ椿

 
眼鏡とっても美形になれぬ
街の灯かりが滲むだけ
髪を二つに束ねてみても
誰も見向きをせぬ私

冬の寒さを思わせるほど
冷たくしてた理由(わけ)訊かないで
あなた一人の為だけに
花を咲かせてみたいだけ

一人彷徨う秋葉原 胸に抱えた紙袋
木枯らし耐える蕾がひとつ
萌える 萌えて 萌えていつかは
萌ゑ椿

(セリフ)
「べ、別にノあなたのために唄ってるんじゃないんですからね…」

ビッグサイトの人の流れ
中でポツンと一人きり
広げ並べた夢の欠片
頁(ページ)めくって涙ぐむ

所詮私に叶わぬものと
泣いて走らす絵筆の跡は
あなた一人を偲ぶ夜
紙の隙間に募らせた

上野を越えて御徒町 海に近づく山手線
やがて散る身とわかっていても
萌える 萌えて 萌えてひらくの
萌ゑ椿

(セリフ)
「東京はチャンネルが多くて、夜毎電波の荒波に溺れてしまいそう…、
そんなときは鳴門の渦潮を思い出しています。
おかあさん、東京では2チャンネルは1チャンネルなんですよ、お母さん!」

流れ流れて花の都の
華に紛れた根無し草
雨の降る日は傘をたたんで
枯れぬ涙を隠すのよ

いつか私もあなたの傍で
小さな花を咲かせてみたい
あなた一人に愛でられて
春の日差しを浴びたいの

一人彷徨う秋葉原 胸に抱えた恋心
雪を纏った蕾がひとつ
萌える 萌えて 萌えて一輪
萌ゑ椿